はじめに
最近よく耳にするようになった「循環型社会」。これは、資源をできるだけ長く大切に使い、使い終わった後も次の使い道につなげる社会を指します。考え方の柱は優先する順番にあります。まず発生を抑える、次にそのまま繰り返し使う、それでも難しいときに素材として生かす、どうしても残る分だけエネルギーとして活用し、最後に安全に処分します。
この記事では、基本の考え方を整理し、実務で押さえるポイントと今日からできる小さな一歩を紹介します。後半では、EUの動き(ESPR/DPP)もコンパクトに触れて、世界の流れをつかめるようにします。
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素材の特長:シートベルト端材=高強度・耐摩耗 → 長く使える=発生抑制に間接寄与。
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長期使用:買い替え頻度低下 → 発生抑制の考え方と合致。
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端材活用:廃棄回避 → 資源の取りこぼしを減らす。
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グリーン購入の考え方と親和 : 長寿命・再使用・再生利用の優先度に沿う。
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循環型社会への移行とは?
循環型社会への移行とは、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄の「線形経済」から、資源を循環させる「循環経済」への転換を指します。
従来の経済モデルと新しいモデルの違いは以下のとおりです。
・線形経済(従来型):資源採取→製造→使用→廃棄の一方通行
・循環経済(新型):資源を可能な限り長期間使用し、最終的に再生・再利用
循環型社会の基本的な考え方は?
循環の基本は上から順番に検討することにあります。下位の方法にすぐ進まず、できる限り上位で解決します。
1.発生抑制(Reduce)を最優先にします。
長く使えるように設計し、買い替えの頻度を下げます。導入前に本当に必要かどうかを見直します。
2.再使用(Reuse)を次に考えます。
そのままもう一度使えるように整備し、貸し出しや回収の仕組みを用意します。
3.再生利用(Recycle)で素材を生かします。
分解しやすい構造にして、素材ごとに分別しやすくします。
4.熱回収でエネルギーとして活用します。
どうしても残る分を燃料や熱として利用します。
5.適正処分で安全に締めくくります。
最後に残ったものはルールに従って安全に処理します。
3R+Renewableって?
3RはReduce(発生抑制)/Reuse(再使用)/Recycle(再生利用)の総称。日本の優先順位の上位3段を指します。ここにRenewable(再生可能資源の利用)を足した考え方が「3R+Renewable」。Renewable(再生可能資源の利用)を素材選びに取り入れると、最上流での環境負荷をさらに減らせます。たとえば、再生材やバイオ由来材を候補に入れて、回収や再資源化の流れまで見通して選びます。
EUの動き:設計から循環が“当たり前”に
EUは「設計の段階から循環を組み込む」方向に進んでいます。ESPRで設計要件を定め、DPPで情報を共有する体制を整えています。これにより、長く使える設計、分解しやすい構造、情報の見える化が広がっています。海外案件やB2Bの調達で不利にならないように日本企業も設計段階で環境に配慮していくべきだと思います。
[用語解説]
ESPR:Ecodesign for Sustainable Products Regulation。持続可能な製品設計。
DPP(デジタル製品パスポート):素材や由来、修理や回収の情報をデジタルで共有する仕組みを指します。
循環型社会への取り組みを怠った場合のリスク
循環型社会への取り組みを後回しにしたり、不十分な対応に留めたりした場合に、どのようなリスクがあるのか気になる方も多いかと思います。
・競争力の低下に該当
現時点で、循環型社会への取り組み不足に対する直接的な法的罰則は限定的ですが、市場での競争力低下に直結します。
調達要件での評価が下がったり、顧客からの信頼を失ったりする場合は、取引機会の減少や企業価値の毀損につながる可能性があります。
・将来的な法規制への対応遅れ
循環型社会への取り組みを怠ると、将来導入される可能性のある法規制への対応が後手に回る可能性があります。
循環型社会への一歩
・オフィスでの紙使用量削減
・ノベルティの長寿命化
・包装材の簡素化
・リユース可能な資材の選択 など
日常業務の様々な場面で循環型社会の考え方を適用できます。
Think Scrap(シートベルト端材)の立ち位置
Think Scrapの製品は、シートベルト端材の強さと耐摩耗性を生かして設計しています。日常で傷みにくく、長く使えるため、発生抑制に貢献します。端材を活用する取り組みは資源の取りこぼしを減らすことにもつながります。耐久性が求められる法人ノベルティや業務用アイテムとして、安心して使える仕上がりを目指しています。
よくある質問(FAQ)
Q1:アップサイクルとリサイクルはどのように違いますか。
A:リサイクルは製品を材料に戻してから再び製造に使います。アップサイクルは素材の良さを活かして別の価値を持つ製品に作り替えます。どちらも資源循環に寄与しますが、工程と価値の付け方が異なります。
Q2:最も重視すべきことは何ですか。
A:発生抑制を最優先にします。長く使える設計を採用し、買い替えを減らすことで、上位の手段から順番に環境負荷を下げられます。
Q3:海外の制度は日本企業にも影響しますか。
A:影響します。ESPRやDPPは、長期使用を前提にした設計や情報の見える化を後押しします。B2Bの調達要件や顧客の期待にも反映されるため、早めに対応すると有利に働きます。
参考
[1] 環境省|循環型社会形成推進基本法(公式解説ページ)
https://www.env.go.jp/recycle/circul/recycle.html
[2] 環境省|プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(普及啓発ポータル)
https://plastic-circulation.env.go.jp/about
[3] European Commission|Circular Economy Action Plan (CEAP)
https://environment.ec.europa.eu/strategy/circular-economy-action-plan_en
[4] EUR-Lex|Regulation (EU) 2024/1781 (ESPR: Ecodesign for Sustainable Products Regulation)
https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2024/1781/oj/eng
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。具体的な適用の可否・最新の運用は、必ず最新情報をご確認ください。
最終確認日:2025-10-1(JST)